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数年前から認知症にかかっている叔母が入居しているホームに、家族・親族で訪問した。
母・兄・私・娘・叔母の次男R君(従弟)と奥さんとで訪問した。叔母と最後にあったのはおととしの叔父の葬儀の時だったが、その時もすでに叔父のこともわからずきょとん、としていた。去年くらいからR君の顔を見ても誰だかわからない様子となり、最近は言葉も発することもなく、ボーッとしていることが増えているということだった。
が、母や私の顔を見て何か思い出すのか、歌でも歌いだすかのような口調で、「~~~が、~~~でね、」と意味不明な言葉を発し始めた。母と叔母が昔若かったころに、夏に浜町音頭を踊った時に叔母が大変上手で、スターみたいだったのよ、などという思い出話を母が懸命に話しかけた。私にとってはどうでも良い話だったが、叔母に何かが伝わったかもよくわからない。あとから浜町音頭のメロディを兄がスマホで流したが、三味線と歌声が主旋律で時折、笛・太鼓が入るBGMで、しぶい、という以外にない音楽であった。
叔母が発する意味をなさない言葉に耳を貸してあげているうちに、言葉の発し方は頻繁になり、脳の活性化にはつながったのかもしれないと思った。私の顔をみて、「・・・(意味不明)、しなさいねええ・・。・・・、・・・。(意味不明)」姪に何かを言い含めたいという感情だけが残っている言葉、としか思えなかった。
そして、兄が去年生まれた孫の動画をスマホで見せてあげたところ、やはりおばあさん世代は赤ちゃんが大好きなようで、ニッコリと笑って、「いいこねええ、、いいこねええ」と動画に向かって話しかけていた。
母がこれを叔母に見せたい、と持参した昔の古い写真も見せたが、叔母はそれを見て理解した様子は一切なかった。写真を見た私を含めた周りの家族が、「あっ、これ誰々だよね。」などと言って楽しむきっかけにはなったが。
そして最後の方では、車いすに座る母をそばに寄せると、母の手を、自分からとって手をつないだので、誰だかわからなくてもなつかしさのようなものは感じるのかもしれないと思った。何かを正しくやったり順序立てるということは永久に不可能になっても、感情だけが残る感じである。
忙しい日程の中だったので、次に集まる予定はいつになるかわからないが、まずまずな感じの訪問はできたかもしれない。