ドイツの美術品の大収集家。 |
杖を突いて歩くが、立ち上がりも歩みもなかなか進まず、従弟夫婦が両側を支えるようにして歩いている。 |
おととし、股関節を人工関節に置換する手術を受け、そのあとゆっくりだが歩いていたのを見ていたのだが、先日会った時にはもっと動きが緩慢になり、重くなっていた。
叔母は、認知症の高齢者を受け入れている施設に入所しているが、その施設内の話なのだろうか。「早く食べなさい!」「ちゃんとやりなさい!」「さっさとどきなさい!」ってどなるのよ、とさんざん話していた。
そして、次には、「あたしはね、もう、今年で終わりなの。やめるからね。」ばかり言う。つまり施設を退所したいということか。その話ばかりするので、性格のきついスタッフさんにつらく当たられている、もしくはそれを目撃しているのだろうかと、心配になってくる。皆で従弟に、施設のほうに確認する必要があるね、と話していた。
叔母自身、服用する薬を最近変えたそうだが、変える前はもっと攻撃的になってしまって色々なことに反抗的になり、「もうここを出るんだ!」的な怒りを含んだ態度をとっていたそうだった。もしかするとそちらのほうが叔母の本心がうかがえたのかもしれないが、施設から引き取って世話することはおそらく誰にもできない。薬を変えて、興奮しないようにした、という感じだろうか。
かわいそうだが、施設をでて自由になりたい、というのが本音だと思われる。母にしても本当はそうなのだが、核家族化の現代、一人で抱え込めるほど介護は楽ではない。
介護の現場も、人手は足りないし薄給で仕事量は多く大変だという一般的な情報により、スタッフさんも大変だというイメージがある。おそらく施設に相談をしても全面的な改善には至らないだろうとは思われるが。
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(後日追記):
叔母は、その場にいる人たちが親類家族でも誰だかわからない、という状態になってしまっているが、家族に対するイメージだけは記録されているようである。
私がそれぞれを指さしながら、「誰々よ。」と説明している最中、目の前の人が誰だ、というのはあまりきちんと聞いていないし理解もできなくなっているのだが、「お姉さん(母)」と言って母を指さしたところ、「ああ、お姉さん。お姉さんはねえ、まわりのみんなを押しのけて、ほら、聞きなさい!っていう人なのよねえ」と、私の母に対して描いていたイメージのようなものを暴露したのである。
母本人がとなりにいるというのに、それは理解していないようであったが。
本当は、叔母(母の妹でこちらもホーム入居中)も、従弟夫婦の同伴で墓参りに誘っていたのだが、認知症が大変すすんでしまっており、家族の顔をみても誰だかわからなくなってきており、母のことも他人だと思ってしまっていることから、道中の高速道のサービスエリアでの会食のみとなり、墓参りの出席はキャンセルになってしまった。従弟の顔も、時間がたってくると思い出す?という感じのようだった。
従弟からの説明で、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症、両方の型の認知症を発症しているということを、すでにおととしからきいていた。が、最近コロナ陽性になった後、そのあとにぐっと症状がすすんでしまったようだった。
会食で、母とはすぐにうちとけて手を握り合ったり仲良くしている風だったが、母がどこのだれかということは、とうとう最後まで理解できなかったようだった。(おそらくその場の皆のことも)
私とも、ランチを囲むテーブルではよく目が合い、笑いかけてくれていたのだが、話の内容は支離滅裂で、そうよね、そうよね、でお互いよくわからず笑いあうという感じであった。
母もかなりがっかりだったようで、叔母と会うのもこれが最後かもしれないなどと言っていたが、年を取るというのは本当にこういうこともあるのだなと思った。
外からの撮影のみOK。中は、手前の線まで入れる。両側の壁は、ロウでできているのだろうか、なにか香料の匂いがした。不思議な感じの空間が広がり、なんとなくボールなどを転がしたくなるような廊下となっている。 |
こちらの白い陶器は、上部がすり鉢状となっていて、そこに毎日、本物のミルクを注いで入れ替えているのだという説明であった。その手間は本当にご苦労様ですと思うが、ミルク、という感じが良く出ている置物であった。(題名も確かミルク、のついた題名だった) |
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ぱっと見肩車かと思いきや、一台のソファを使って上下に座り、うまく連なりを表現している。小悪魔的な表情と白塗りの肩や腕がなまめかしいが、三姉妹(下から、しっかり者の長女・自由にあこがれる次女・天真爛漫な三女)か、三位一体の妖女のような不思議な感じがする。 |
二点が対になった一作品のようであるが、こちらは上のものの経年後の姿を描いているようである。老いさらばえて山姥のようになった3人。長女は疲れて眠りこみ、そんな長女に次女が手を添え、三女は相も変わらずマイペースな感じで糸切りに興じる、といったところだろうか。 |
(1930生まれ-1985没)フランスのアーティストということで、断頭台のテーマを扱っているようである。 |
右下の、帽子をかぶった男は、笑い方に邪悪感がたっぷり。悪魔にでも乗り移られたのだろうか、どう見ても善人には見えない。 |
ダークトーンと縦ににじむ絵の具の筋が、さらに絵のイメージを暗くし、おどろおどろしさを出している。不気味なピエロの絵。 |
悪魔やピエロの絵もよく描かれている。暗闇にぽっかりと浮かび、こちらを見つめる顔。それは生きていない者を描いたものか。 |
断頭台で処刑された生首を思わせる絵である。虚空を見つめる目。生きている人の顔のように見えるが、首から下に、体はない。不気味であるが、なぜか目を離せなくなる。 |