ここからは、この方が心の内面を突き詰めて突き詰めてどんどん展開していくことにかけては天才的で、アーティストとしてものすごい才能を発揮していることをふまえつつも、ディスっていく記事である。 展示物の部屋も後半を過ぎてから、だんだん気分が悪くなっていった、ということが起きたからである。
本人インタビュー映像で、40代の時に病気になり、毎日死について考えるようになったという話があった。戦争の体験も大きな影響を残したということだったが、病をきっかけに、作風も変わっていったのだろうか。
幽霊・妖怪・心霊的な神秘的なものへの恐れではない。悪魔に心を魅入られてしまった、としか言いようがない気持ちの悪さが作品に満ちており、まさに、統合失調症のように偏執狂じみた精神が、悪魔を再現させていくような気味の悪さである。天才だからこそ、画力も表現力もすごいので、破壊力もすごく、見ていくうちに胸糞悪くなるような感覚に襲われてしまった。
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これはまだ、何やらごちゃついているだけであるが。 |
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絵からの視線が気味悪い。 |
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アーティスティックだが、やはり気持ち悪い。 |
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ガイコツと、赤や茶色の色をふんだんに使った、内臓や筋をモチーフにした絵だが、やはり気持ちが悪い。ガイコツの体には、筋とむきだしの腸のようなものが張り付いているが、生命感からはほど遠い。 |
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見つめてくるガイコツは、悪魔の目つきである。 |
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表情筋むき出し感のあるガイコツが、歯がむき出しになった真っ赤な口でニタニタ笑っている。ただのガイコツそのものよりも、表皮をはいで表情筋が残った形相そのものの方が、不気味で気色が悪い。
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ガイコツがニタニタ笑うモチーフが特にお気に入りでよく用いられている。その目つきもニタニタ具合を気持ち悪く強化している。 |
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悪魔、サタン、としかいいようがない。作者が完全に悪魔に魅入られてしまっているからこそ、目つきも完全に悪魔になっている恐怖の絵が描けるのだと思う。 |