以前、森美術館での「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」展で出展していた青野さんの作品が、渋谷周辺のギャラリーで見られるようだったので、見てみることにした。代官山が最寄り駅ということだったが、池尻大橋からバスに乗り、途中下車をした。1階正面がカフェで、中二階・3階・地下階にそれぞれ作品が1~数品づつ置かれていた。
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小さな食卓。 |
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食卓の星にはパンや果実、シロップ、飲み物が置いてあり、いつでも使える。(という解釈を勝手につけた) |
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作品裏側もしっかりと作り込んである。右側の首は、映画「13日の金曜日」に出てくるホッケーマスクをかぶったジェイソンにも似ていて不気味だが、霊的な存在だろうか。左側の人形は、ドラエモンだろうか?が、オムツのような生理用品のようなものから赤い色がにじんでおり、なんだか生々しい。意味を考えてもその意味はなさそうであるが、一つ一つからの印象が強烈である。 |
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たんすの中央部に胎児(赤ちゃん)らしきものがいる。誕生を待つ生命だろうか。 |
一見ガラクタの集まりのようにも見えなくもないのだが、見れば見るほど不思議な気分になる作品である。タンスなどの隙間からひょっこり除く顔を見るとなぜか、(精霊や神様的な)霊的なものを感じる気がする。日常的なものの中に、それらが潜んでいるという感じである。「それぞれの惑星とその住人達」という展覧会の題名から読み解くと、それぞれのシマ(星)を構成する者たちが一つ一つ生命エネルギーに満ちていて、それらが取り囲む感じで一つ一つの星がそれぞれ存在している、というところだろうか。